接続詞は、文章の補助的な言葉であると考えられがちですが、実は使い方ひとつで文章の意味や印象が大きく変わります。
人は、読み終えた次にくる話の展開を予測しながら文章を読んでいるため、接続詞が正しく使えている文章は、内容が理解しやすく読み手側の読み込むスピードが速くなります。
接続詞は文章の要です。文章を書く機会が多い人は正しい使い方をマスターしておくと、誰が見てもわかりやすい良い文章が書けるようになります。
また、他者が書いた文章を添削する人は、接続詞の正しい使い方を覚えることで、文章の良し悪しも的確に判断できるスキルが養われます。
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本記事では、接続詞の意味と種類、効果的な使い方について解説します。
接続詞を多用すると、文が切れ目なく延々と続く印象を与えます。接続詞を用いなくても文の意味が通じる場合は、使用しないことも大事なポイントです。
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接続詞の意味と役割
接続詞の使い方について知る前に、まず『接続詞の意味と役割』を理解しておきましょう。
接続詞とは文と文をつなぐ言葉
接続詞とは、文と文をつなぐ品詞のことで、『つなぎ言葉』ともいわれます。
具体的には、「したがって」や「しかし」などの言葉が接続詞です。接続詞を使うことで、文と文とを自然な形でつなげます。
【例1】
【例2】
【例1】のように接続詞がない文章の場合は、意味は通じるものの、前の文と後ろの文のつながりがはっきりしません。
しかし、【例2】のように接続詞である「したがって」が入ることで、前の文からのつながりができて自然な流れの文となります。
接続後・接続助詞
接続詞とよく似た言葉に、『接続語』や『接続助詞』があります。
『接続語』とは、文と文とをつなぐすべての言葉のことで、接続詞も接続語の一部です。
『接続助詞』とは、単独で使うのではなく、『名詞や動詞+接続助詞』といった使い方をすることで接続語になる助詞のことです。
例にすると、下記のようになります。
【例】(動詞+接続助詞)
接続詞と接続助詞の違いは、以下のとおりです。
- 接続詞:接続語の中でも単独で使う
- 接続助詞:名詞や動詞とあわせて使う
接続詞の役割
接続詞の役割は、前の文の内容を受けて後ろの文の方向性を決めることです。どの接続詞を使うかによって前後の文の関係性が変わってきます。
【例1】
【例2】
例の前後の文は同じですが、接続詞によって文章の内容が変わります。
【例1】の場合は、「したがって」が入ることで「良い天気」であることによって「掃除をする」という当然の結果を表す文章になります。
対して、【例2】のように「しかし」が入ると、「良い天気であるのに、仕方なく掃除をしている」というニュアンスの文章になります。
このように、どの接続詞を使うかによって、後ろの文の方向性が決まるのです。
\一般的に使用する「接続詞の分類表」もついています!/
主な接続詞の種類は6つ
主に使われる接続詞には、6つの種類があります。
- 順接
- 逆接
- 並立・列挙・添加
- 対比・選択
- 説明・補足・要点
- 転換
順に沿って、説明します。
1.順接
順接は、前の文が原因として、後の文が順当な結果や結論となる際に使われます。
順接の接続詞
- だから
- それで
- そこで
- そのため
- すると
- そのため
- このため
- したがって
- ゆえに
- それなら
【例】
2.逆接
逆接は、前の文の内容と逆の内容を後ろの文で述べる際に使われます。
逆接の接続詞
- しかし
- だけど
- だが
- でも
- ものの
- けれども
- ところが
- なのに
- それなのに
- それにもかかわらず
【例】
3.並立・列挙・添加
並列・列挙・添加の3つの接続詞については、それぞれに分けて説明します。
並列
並立は、前の文に続いて後の文に似たような内容を並べるときに使用します。
並列の接続詞
- また
- および
- かつ
- ならびに
- 同じく
【例】
列挙
列挙は、順番を示して内容を並べる際に使用します。
列挙の接続詞
- 第一に
- 1つめは
- 最初に
- 次に
- 最後に
- はじめに
- おわりに
【例】
添加
添加は、前の文に続いて後の文に内容を付け加えるときに使用します。
添加の接続詞
- また
- そして
- それから
- それに
- さらに
- しかも
- そのうえ
【例】
4.対比・選択
対比・選択の接続詞については、それぞれに分けて説明します。
対比
対比は、前の文の対比となる内容を後の文で述べる際に使われます。
対比の接続詞
- 一方で
- 他方
- 逆に
- 反面
- 対して
- 反対に
【例】
選択
選択は、前の文とは別の事柄を後ろの文で挙げて選択させる際に使われます。
選択の接続詞
- それとも
- あるいは
- または
- もしくは
【例】
5.説明・補足・要点
説明・補足と要点の接続詞は、下記のとおりになります。
説明・補足
説明・補足は、前の文に対して後ろの文で理由を説明する際に使われます。
説明・補足の接続詞
- なぜなら
- というのは
- というのも
- なぜかというと
- つまり
- なお
- ちなみに
【例】
要点
要点は、前の文に対して後ろの文で大切な要点を述べる際に使われます。
説明・補足の接続詞
- すなわち
- それには
- そのためには
【例】
6.転換
転換は、前の文の文脈を一度打ち切り、後ろの文で新しい事柄を述べる際に使われます。
転換の接続詞
- ところで
- それでは
- では
- さて
- ときに
- ともあれ
- それはそうと
【例】
接続詞の効果的な使い方
上述のとおり接続詞は文章の方向性を決める大切な要素ですが、なくても文章の意味が通じる言葉でもあります。
そんな接続詞の効果を最大限に発揮させるためには、「適切なものを使うこと」と「不要なものは使わないこと」がポイントです。
接続詞は適切なものを使う
接続詞は、前後の文を書き手の意図通りにつなげ、読者に内容を正しく伝えるものを選びます。
【例】
【例】のように、(接続詞)の部分に、「だから」が入るか「しかし」が入るかによって文章の意味や読者の受け取り方が大きく変わります。
接続詞を選ぶ際は、どちらを入れるのが正しいのかではなく、伝えたいことをきちんと表現できる言葉として機能しているかということを考えます。
そうすることで、書き手の意図が読者に伝わる文章となります。また、読者も文の前後のつながりをスムーズに理解できるので、ストレスなく読めます。
不要な接続詞は用いない
接続詞がなくても意味が通じる場合は、無理に接続詞を入れる必要はありません。
不要な接続詞を削ることで、すっきりとした読みやすい文章になることもあります。
【例1】
【例2】
この例の場合は、接続詞の「なぜなら」がなくても意味が読者に伝わります。
逆に接続詞が入ることで、少々回りくどく感じてしまいます。
このように文脈から前後の文の関係を判断できる時は、無駄な接続詞は省くようにしましょう。
同じ意味の接続詞は連続させない
また、同じ意味の接続詞を連続して使うと、わかりにくい文章になるので注意が必要です。
特に、「しかし」や「ところが」などの逆接の接続詞が続くと、文章の意味が次々とひっくり返るため読者の混乱を招きます。
【例1】
【例2】
【例1】の場合は、接続詞によって次々と後ろの文の内容がひっくり返り、結局文章が得意なのかどうかがわかりにくくなっています。
対して、【例2】の場合は、接続詞を1つに絞ることによって、「文章が得意であるが勉強は必要」という事実がはっきりと伝わります。
書き上がった文章は必ず読み返し、不要な接続詞がないかチェックします。
接続詞が連続する場合は、語順を入れ替えるなどの工夫をして、なるべく不要なものは削るようにしましょう。
接続詞は文章をより読みやすくするための言葉
接続詞は、文と文とをつなぐ言葉です。どの接続詞が入るかによって、後ろの文章の方向性が決まります。
そんな重要な役割を持っている接続詞ですが、なくても文章の意味が通じる言葉でもあります。
しかし、接続詞を適切に入れることで、読み手の意図が読者に伝わる読みやすい文章となります。
ワンランク上の文章が書けるようになるため、接続詞の使い方は必ずマスターしましょう。