WEB上の記事を書くときは、紙媒体とは違った特性を理解したうえで文章を書くことが求められます。
とはいえ、学校教育において、記事の書き方や人に情報を伝えるための文章の書き方を学んできていない私たちは、文章の型はもちろん、執筆前の準備段階から学習しなければなりません。
しかし、文章の構成には型があるため、あらかじめ知っておくことで効率よく書き進めることができます。
代表的なフレームワークに『SDS法』と『PREP法』があります。
ここでは、これからWEB記事を書き進める人に向けて、WEBライティングを使って『文章を書くための準備』と『型』について解説します。
WEB記事を書くための準備
読む人にわかりやすく読みやすい文章をつくるためには、執筆前に文章構成の作成が必要です。
文章の型となる『SDS法』と『PREP法』をお伝えする前に、WEB記事を書くための手順を説明します。
1.コンテンツのテーマを決める
ブログなどのWEB記事を書くためには、サイトのコンテンツ(中身)となるテーマ設定が必要です。
『誰に何を伝えるのか』大枠を決めましょう。
テーマを決めるポイントは、ゴールから設定すること
WEB記事やサイトを通して、記事を読み終えた後、読者やユーザーに「どのような行動をとってもらうのか」「誰にどんな悩みを解決してさしあげるのか」を明確にしてゴールに向かってテーマを設定しましょう。
2.記事の「検索キーワード」を決める
基本的にWEBで発信する文章は、ターゲットやユーザーの問題や悩みを解決する内容です。
ユーザーは、知りたいことをキーワードにしてGoogleなどの検索窓に入力をし検索を行います。
このとき、ユーザーに見つけてもらうためには『検索意図』をイメージし読み取ったうえで、キーワードを選定します。
検索意図には、『顕在ニーズ』と『潜在ニーズ』があります。
潜在ニーズは、顕在ニーズの奥にある本来の目的のことです。
「SEOライティングのことを知りたい人」が検索した場合
顕在ニーズ | 潜在ニーズ |
●SEOで上位に表示させるライティングについて詳しく知りたい | [事業者] ●WEB集客を成功させて売上を上げたい ●オウンドメディアで自動集客化させたい[ライター] ●付加価値を高めて収入を上げたい |
『検索意図』を読み取って選定したキーワードを『検索キーワード』といいます。
文章を書くときは、検索キーワードに沿った内容を網羅することで、読者が知りたいことや必要としていることが打ち出せます。
ビッグキーワードとスモールキーワードがある
検索キーワードを設定する際には、検索ボリュームを確認します。検索ボリュームとは、月間でどのくらいの数検索に使用されているかを表わした数字のことです。
検索ボリュームの大きいものはビックキーワードとなり、小さいものはスモールキーワードとなります。
ビックキーワードはほぼ、一語もしくは二語で表わされており、スモールキーワードのように検索ボリュームが小さくなればなるほど三語~四語のワードとなっています。
検索ボリュームの大きいビックキーワードになればなるほど、競合が多くなり検索結果で上位表示されるまでに時間がかかります。
ターゲットに記事を読んでもらった後、どのように行動してもらいたいかにも違いはありますが、記事に書きなれるまでは競合の少ないスモールキーワードを選択して上位表示を狙いましょう。
スモールキーワードを選定するコツ
たとえば、『ダイエット』について執筆するとき、一語となる『ダイエット』だけでは、読者の知りたいことを想定するのが難しくなります。
対して、『ダイエット おすすめ サプリメント』というキーワードで設定することで、ダイエットにおすすめのサプリメントを知りたい読者に向けて内容が絞れます。
あらかじめ書く内容をある程度まで絞ることで、読者の求めている情報をより確実に文章に落とし込むことができるのです。
3.検索者イメージを絞る
検索キーワードを設定したら、次はターゲットとなる検索者をさらに絞ります。
設定した検索キーワードを、どのような人が検索窓に入力するかを具体的にイメージしましょう。
「ダイエット おすすめ サプリメント」というキーワードは同じでも、年代や性別によって、執筆する内容が大きく変わってきます。
WEB上では「何に悩んでいる人なのか」「情報を得て何をしようとしているのか」などの検索者イメージを固め、その人に向けた文章を書きます。
つまり、検索者イメージを想定することが、文章を読んでもらうターゲットを定めることにつながるのです。
4.本文を書く前に見出しをつくる
文章の中では、区切りを付けて読みやすくなるように、場面ごとに見出しをわける必要があります。
文章全体の大まかな見出しづくりは、目次の役目となるため、本文を書き始める前におこないましょう。
見出しを先につくり、どこにどのような内容を書くかを順序立てることで、後の本文の執筆をスムーズに進めることができます。
見出しつくりは、文章の設計図を作るようなものだといえます。
基本的に見出しをつくる際には、読み進めるほどに細かい内容がわかるように組み立てます。
検索者イメージをもとに、解説が必要な情報の順序を考えて見出しを配置していきましょう。
見出しはできる限り細かく分ける
また、WEBの特性上、見出しはできる限り細かくわけるのが有効です。
伝えたい情報ごとに見出しをつくることで、執筆者も書き進めやすくなるうえに、必要としている内容がどこに書いてあるのか読者が見つけやすくなります。
見出しの順序、各見出しに何を書くかが決まったら、ここから本文の執筆をします。
事前に組み立てた設定に沿って執筆をしていきましょう。
執筆が完成したら、あらかじめつくっておいた見出しと本文がマッチしているかを確認しましょう。
必要に応じて、見出しを執筆した本文にあわせて調整することも可能です。
文章の型・フレームワークを知ろう
文章構成ができたら、次は実際に書き進める本文の構成を考えていきましょう。
冒頭で述べたように、文章の型にはフレームワークが複数あります。
ここでは代表的な、『SDS法』と『PREP法』について解説をします。
SDS法
SDS法は、以下の3要素によって構成される文章の型です。
SDS法
Summary(要点):文章全体の概要
Details(詳細):概要の詳細な説明
Summary(要点):全体のまとめ
SDS法では、最初に話の概要を伝えます。これから何を説明しようとしているのかを説明します。
先に大まかな概要を知ることで、読者は簡潔にわかりやすく情報を把握することができます。
その後、最初に説明した概要の詳細な説明を「Details(詳細)」の場面でおこないます。
そして最後に結論として、もう一度「Summary(要点)」にて提示した全体の概要をまとめることで文を締めます。
人は、話の終わりと始めをとくに強く記憶する特性があります。その特性を利用して、同じ説明を改めてすることで、文章の内容を読者に印象付けることができるのです。
この文章構成は、的確に物事の説明ができるものとして、テレビのニュースなどでも活用されている型です。
また、WEBライティングにおいては、論理的で読みやすい文章をつくる「ロジカルライティング」というテクニックで活用されています。
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PREP法
PREP法は、SDS法よりも、より詳細な説明が必要な場面に向いている構成です。
PREP法は、以下の4要素によって構成されます。
PREP法
Point(結論・要点):文章全体の結論
Reason(理由):結論に至った理由
Example(事例・具体例):理由をより詳細に説明する事例や具体例
Point(結論):文章全体のまとめになる結論
PREP法もSDS法と同じく、文の始めと終わりの繰り返しによって、結論を印象付ける効果があります。
その上で、結論に至った理由を具体例も交えて詳細に説明するのが、PREP法の特徴です。
理由の説明に加えて具体例を用いるのは、情報の確実性を高めるためです。
たとえば、ただ「この商品の売り上げが上がっている、だから使うべき」とだけいわれても、情報の信ぴょう性は薄いものです。
しかし、そこで「この商品は前年に比べて〇%売り上げが上がっている、さらに世間で商品の需要は上がっている、その理由は~」と続けられれば、この情報に納得できる読者は増えることでしょう。
簡潔に理解できる文章でありながら、より納得させる説明ができるのがPREP法です。
シンプルな説明に向いているSDS法と使いわけることで、場面に応じた文章構成ができるようになるでしょう。
WEB上ではSEOを意識しよう!
WEBライティングの文章構成においては、文章として読みやすいことに加えて、「SEO」対策ができていることも重要になります。
SEOとは、Search Engine Optimization(サーチ エンジン オブティマゼーション)を略したもので、日本語に訳すと『検索エンジン最適化』です。
Googleをはじめとする検索エンジンの検索結果で上位表示されるように、文章構成を考えて執筆を行う施策のことです。
加えて、自然検索でユーザーの流入を見込み、集客数や売上げアップにつなげる集客法です。
SEOについては、下記の記事で詳しくお伝えしています。
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SEOを用いる際に大切なのは、筆者が書きたいことだけを書くのではなく、ユーザーが知りたいことを読者視点で書くことです。
ユーザーに評価してもらえることはもちろん、WEBの文章においては、タイトルや見出し、本文中に検索キーワードを組み込み、キーワードに関連する情報があると検索エンジンに判断してもらわなければなりません。
検索エンジンは、検索者がより必要とする情報を高評価しています。
検索結果で上位表示を狙うためには、オリジナリティがあり、経験(Experience)・専門性(Expertise)・権威性(Authoritativeness)・信頼性(Trustworthiness)の4つが揃っていることが条件になります。
このことを、Googleの評価基準として『E-E-A-T』(造語)と呼んでいます。
E-E-A-Tについては、下記のページで詳しく説明しています。ぜひ、参考にしてください。
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参考SEOで重要視されるE-E-A-T!Google評価基準のポイント
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検索キーワードに沿った情報を深掘りして、SDS法やPREP法などの手法を参考に、自分の言葉で文章を構成できるようにしていきましょう。
WEBライティングは文章の型を理解すること
WEB記事を書くときに必ず必要になるWEBライティング。
より多くの人に記事を認知してもらうためには、検索者について深掘りしてイメージをつくり、ユーザーと検索エンジンに高評価される執筆トレーニングを行いましょう。
文章の型を理解することで、文章作成に自信がない人も、スラスラと書き進められるようになります。
また、WEBライティング行う際に必要な知識はSEOです。
たとえば、WEBライターの場合は、一般的なライティングスキルに加えてSEOをマスターすることで、報酬の少ない案件から卒業して、高単価案件を獲得できるようになります。
また、『書くスキル』以外にも、SEO対策のための設定や管理ができるようになります。すると、お客様から必要とされるようになり、継続性の高い案件の確保が可能になるのです。