しかし、ホームページの作成を業者に依頼すると、費用の負担が大きいことが問題となります。
ホームページ導入費用を抑えるために活用したいのが、IT導入補助金です。
IT導入補助金を活用すれば、ホームページ作成への補助が出ることがあります。
ここでは、IT導入補助金の概要と対象となるホームページの種類、公募スケジュールなどについて解説しています。
IT導入補助金の概要
IT導入補助金とは、事業者がITツールを導入する際に適用される国の補助金です。
自社の課題に合わせたITツールを導入する経費を一部負担するもので、業務の効率化や生産性の向上を目的としています。
IT導入補助金の補助対象者
IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者向けの補助金制度です。
補助対象となる条件は、中小企業・小規模事業者であることです。
業種ごとに資本金や従業員規模の水準が設けられており、その水準以下であれば中小企業・個人事業主として認められ、補助対象となります。
補助対象となる中小企業の業種は、製造業や建設業、卸売業、小売業、サービス業などの幅広い業種の他に、医療法人や商工会議所などの法人も含まれます。
対して、小規模事業者は、商業やサービス業、娯楽業、製造業などの業種などに対応しています。
また、IT導入補助金では、中小企業・小規模事業者であること以外にもさまざまな条件が設けられており、すべての要件を満たすことで補助の申請ができます。
中小企業・小規模事業者の定義や補助を受けるための要件については下記のホームページで詳しく解説されているので参考にしてください。
▼IT導入補助金2023公式サイト(ページが移動します)
IT導入補助金2023の申請枠
IT導入補助金2023は、事業の目的や補助内容によって以下の3つの申請枠に分かれています。
- 通常枠
- セキュリティ対策推進枠
- デジタル化基盤導入枠
ここでは、上記3つの申請枠を詳しく説明します。
通常枠
通常枠は、生産性向上に資するITツールの導入が対象となる制度です。
補助額や要件などによってA類型とB類型に分けられています。
セキュリティ対策推進枠
セキュリティ対策推進枠は、中小企業や小規模事業者がサイバー攻撃被害などのリスクを低減するために導入する、ITツールの経費を補助する申請枠です。
補助の対象となるITツールは、独立行政法人情報処理推進機構の「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」の中の一部のサービスです。
デジタル化基盤導入枠
デジタル化基盤導入枠は、企業間取引のデジタル化を実施する中小企業に対して経費の一部を補助する制度です。
補助の内容によって、デジタル基盤導入類型と複数社連携IT導入類型に分けられています。
3つの申請枠のうち、ホームページ作成関連費用はデジタル化基盤導入枠のデジタル基盤導入類型で申請を行います。
デジタル化基盤導入枠の補助対象となる経費は、生産性向上に役立つITツールの導入費です。
具体的には、クラウド利用料や、ITツール導入のためのコンサルティング費用、保守サポート費、ホームページ作成費用などが挙げられます。
また、デジタル化基盤導入枠のなかにあるデジタル化基盤導入類型では、パソコンやタブレット、レジ、券売機などのハードウェア購入費用も対象となります。
デジタル化基盤導入類型では、ホームページ作成費用とパソコンの購入費用を申請することもできるため、ホームページ作成をする際に最も適した補助金制度といえるでしょう。
デジタル化基盤導入枠は、ITツールの機能の数によって補助金額が異なるので、申請の際には公募要領で要件を確認しましょう。
デジタル化基盤導入枠で申請できるホームページの種類
IT導入補助金2023では、会社概要や事業内容のみを紹介する企業ホームページを新規で作成する場合は補助の対象外となります。
単にホームページを作成するだけでは、売上げや業務改善に役立つ仕組みとはいえず、IT導入補助金の目的である生産性向上や経営改善にはつながらないためです。
対象となるホームページの要件は、以下の表のとおりです。
リニューアル | リニューアル |
||
「会計」「受発注」「決済」「EC」のうちいずれかの機能を追加 | 機能追加に伴う デザイン・ページの改修費用 | ||
追加機能分の 費用 |
上記の表にあるように、ホームページ作成関連で補助対象となるのは、企業ホームページとECサイトを兼ねたホームページの新規作成をする場合です。
新規作成以外では、既存ホームページに、「会計」「受発注」「決済」「EC」のいずれかの機能を追加することでも、デジタル化基盤導入枠の補助対象となります。
ただし、既存ホームページに機能を追加する場合は、追加機能分のみが補助対象であり、機能追加によるデザイン変更や修繕費用は補助対象外となるので注意が必要です。
また、既存のECサイトのリニューアルをする場合については補助対象外です。
例えば、既存のECサイトのデザイン変更や、決済などの機能を追加しても補助を受けることはできません。
自社が作成したいホームページの種類が、IT導入補助金の補助対象となるか確認しましょう。
デジタル化基盤導入枠の補助率と補助上限額
デジタル化基盤導入枠の補助額は、最大350万円です。
引用元:デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)┃IT導入補助金2023
ただし、「会計」「受発注」「決済」「EC」の機能を持ったITツールのなかから、いくつ導入するかによって補助率や補助上限額が変動します。
4つの機能のうちどれか1つを導入する場合
「会計」「受発注」「決済」「EC」のうちのどれか1つのITツールを導入すれば、経費の3/4以内を補助してもらえます。
最大補助額は、50万円です。
4つの機能のうち2つ以上を導入する場合
「会計」「受発注」「決済」「EC」のうち2つ以上の機能を持つツールを導入する場合、1機能を追加する場合に比べて補助率・補助額が上がります。
大規模なホームページリニューアルにかかる経費を補助するために設けられており、経費の2/3以内が補助とされ、50万円~350万円の補助額を受け取れます。
補助対象経費を複数組み合わせて申請できる
「IT導入補助金の概要」で前述したように、デジタル化基盤導入枠は補助の対象となる幅が広く、ITツール導入のほかにパソコンなどの機器の購入費用も含まれます。
ハードウェア導入経費の補助率・補助上限額
ハードウェアの導入経費の補助率と補助上限額は以下のとおりです。
購入費 | ・PC ・タブレット ・プリンター ・スキャナー ・複合機 | 補助率1/2以内 補助上限額10万円 |
・レジ ・券売機等 | 補助率1/2以内 補助上限額20万円 |
引用元:デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)┃IT導入補助金2023
ホームページ作成費用を申請する際に、導入のために使用したコンサルティング費やパソコン購入費なども合わせて申請ができます。
コンサルティング費やハードウェア購入費を申請する注意点
コンサルティング費用やパソコン購入費用は、以下の2つの要件を満たさなければ申請できないため注意が必要です。
1.ECや会計のITツールの導入
デジタル化基盤導入枠の要件である「会計」「受発注」「決済」「EC」機能を持つITツールを1種類以上導入しなければなりません。
2.導入するハードウェアの使用用途は補助事業のみ
導入するハードウェアはソフトウェアの使用に資するものでなくてはならないため、補助事業以外の別の目的では使用できません。
上記の要件を満たせば、デジタル化基盤導入枠では、ホームページ作成費用からコンサルティング費用、ハードウェア購入費用までまとめて申請できます。
厳しい条件ではないため、IT導入補助金を申請する際はまとめて申請できるものがないか必ず確認するようにしましょう。
デジタル化基盤導入枠の公募スケジュール
デジタル化基盤導入枠のデジタル化基盤導入類型の後期公募スケジュールです。
7次締切:2023年8月28日 (月) 17:00
8次締切:2023年9月11日 (月) 17:00
9次締切:2023年10月2日 (月) 17:00
10次締切:2023年10月16日 (月) 17:00
11次締切:2023年10月30日 (月) 17:00
12次締切:2023年11月13日 (月) 17:00
※記事作成時に確定しているスケジュールのみを掲載
補助金公募の締切直前はアクセスが集中するため、接続時間が通常よりも長くかかり、申請が間に合わなくなる可能性があります。
時間に余裕をもって、申請をしましょう。
IT導入補助金2022のデジタル化基盤導入枠のデジタル化基盤導入類型では、19次まで公募されていました。
IT導入補助金2023も、12次以降の公募をする可能性があります。
詳細な締切時間や交付日、12次以降の公募の情報などは、IT導入補助金2023のスケジュールをご確認ください。
▼IT導入補助金 事業スケジュール(IT導入補助金2023の公式サイトに移動します)
IT導入補助金2023が活用できるのはECサイトを兼ねたホームページ
IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者を対象にしたITツール導入のための補助金制度です。
ホームページ作成関連の費用は、デジタル化基盤導入枠のデジタル基盤導入類型で補助金申請をすることで、パソコンなどのハードウェア購入費用も補助対象になります。
ホームページの新規作成でIT導入補助金の対象となるのは、ECサイトを兼ねたホームページです。
また、既存ホームページに、「会計」「受発注」「決済」「EC」のいずれかの機能を追加する場合も対象となります。
IT導入補助金を利用してホームページ制作を検討している場合は、IT導入補助金の詳細な要件や公募期限を確認してみましょう。