WEB集客の方法は複数ありますが、検索エンジンからの集客方法には「リスティング広告」と「SEO」があり、それぞれに仕組みが異なります。
リスティング広告とSEO、それぞれの違いと特徴を理解して使い分けることで、双方の効果を最大限に発揮できます。
また、WEB集客で早期かつ安定的に結果を出すには、リスティング広告とSEOを併用するとよいでしょう。
本記事では、リスティング広告とSEOの違いや特徴について説明します。
「検索エンジンからの集客で、早期に結果を出したい」とお考えの個人事業主や企業の方は、ぜひ参考にしてください。
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リスティング広告とSEOの仕組みの違い
リスティング広告とSEOは、どちらもGoogleをはじめとする検索エンジンからブログやホームページへ集客を行ううえで重要な役割をしています。しかし、仕組みには異なる点があります。
ここでは、リスティング広告とSEOの仕組みの違いを説明します。
リスティング広告とは検索結果画面に表示される広告
リスティング広告とは、検索連動型広告ともよばれ、ユーザーが検索したキーワードに関連して、検索結果画面の上部または下部に表示される広告です。
リスティング広告は、広告をクリックしたユーザーを、広告主が指定したブログなどのWEBサイトに誘導できます。
リスティング広告は、「入札」と「クリック課金」という仕組みによって掲載されます。
下図のように、クリック課金は、クリックされると広告費が課金される仕組みです。
広告主は、ユーザーのクリックによって課金された広告費を広告掲載メディアに支払います。
SEOはWEBサイトを評価してもらうための対策
SEOとは、Search Engine Optimization(サーチ・エンジン・オブティマゼーション)を訳した用語で、日本語に訳すと『検索エンジン最適化』を意味します。
自然検索(検索結果画面の上部、または下部の広告枠でない部分)の検索結果に表示されるWEBサイトやページは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンに評価された結果が順位を決めています。
Googleをはじめとする検索エンジンのシステムには、クローラとインデクサとよばれるプログラムが動いています。
クローラが、WEB上を巡回してデータの収集を行います。
次いで、クローラが収集したデータをインデクサが解析してインデックスを行った結果が、検索結果で反映される仕組みになっています。
クローラとインデクサによる検索エンジンの仕組みとSEOについては、下記の記事で詳しく掲載しています。
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WEBサイトを上位表示させるためには、ユーザーファーストであることが前提で、検索エンジンにも理解しやすく質の高いコンテンツであることが条件になります。
検索結果で1ページ目に表示されるには、一般的には公開してから3カ月~6カ月ほどといわれています。
しかし、WEBサイトを表示させるドメイン(URL)が以前からあるものか、もしくは新規であるか、またキーワードの月間検索ボリュームによっても、1ページ目に表示されるまでの期間が異なるため一概にはいえません。
SEOとキーワード(検索ボリューム)については、下記の記事で詳しくお伝えしています。
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検索結果で1ページ目かつ上位に上がれば上がるほど、ユーザーにクリックされる確率が高くなり、サイトへの流入が見込めます。
また、1ページ目に表示されることでユーザーの目につきやすくなり、認知度が高くなることからブランディング効果も狙えます。

リスティング広告とSEOの特徴一覧
リスティング広告とSEOの特徴を、以下の表にしました。
次の章では、表にまとめたリスティング広告とSEOの特徴について、詳しく解説します。
【リスティング広告の特徴】費用はかかるが上位表示に対する即効性が高い
リスティング広告は、クリックされることで費用がかかります。
しかし、広告の場合は上位表示させるまで時間が必要なSEOとは異なり、承認がおりれば掲載直後から人目に触れさせることができます。
ここでは、リスティング広告の特徴を、上記の表の要素「広告費」「上位表示に対する即効性」「掲載順位のコントロール」「クリック率」の4点から解説します。
上位表示に対する即効性がある
リスティング広告は広告費を支払うため、入札で順位が決まり反映されれば、検索結果画面の上位に表示されるようになります。
このことから、検索エンジンのシステムの評価によって反映されるSEOに比べて、上位表示に対する即効性があります。
掲載順位のコントロールができる
リスティング広告はSEOに比べて、検索結果画面の上位に表示させるために考慮すべき要素が少ないことが特徴です。
SEOの場合は、広告費をかけずに中長期的に自然流入されることを考慮して設定などを行い、情報の質を重視したコンテンツを作成します。
対して、リスティング広告には『広告ランク』という評価基準が設けられており、ランクが高い順に掲載順位が変わる仕組みです。
広告ランクは、どの広告を検索結果画面のどの位置に表示するかを決める数値になります。
広告ランクの中でも、とくに入札単価・品質スコアが掲載順位に大きく関わります。
入札単価を上げれば、上位に表示させやすくなるため、閑散期には入札単価を下げて掲載順位を下げるなど、掲載順位のコントロールを容易に行えます。
広告費がかかる
リスティング広告は、入札(オークション性)で掲載順位が決まり、クリック課金制で広告費を支払います。
クリック課金の単価は、競合が多いキーワードほど高騰します。
業種や商品サービスにもより異なりますが、ビッグキーワードやCVにつながるキーワードで掲載順位を上げて流入を見込む場合は、少なくとも20万~50万円ほどの予算が必要です。
クリック率が低くなる
リスティング広告は、検索結果画面の上部や下部の目立つ部分に「広告」マークをつけられて配置されます。
しかし、広告を避けるユーザーは一定数存在し、あえてクリックしない人が増えることでクリック率が低くなる可能性があります。
以下の表で紹介している、米国の会社FirstPageSageが2023年に行ったクリックスルー率の調査データによると、Google広告の広告順位1位のクリック率は、2.1%です。
対して、広告枠でない自然検索枠で1位のページのクリック率は、39.8%になっており、広告との差が約18.8倍あることがわかります。
クリックスルー率は、一般的にクリック率やCTRと呼ばれています。
インターネット広告の効果を測る指標のひとつで、広告がクリック(あるいはタップ)された回数を表示回数で割ったものを指します。
下表は、広告掲載位置と検索結果位置の順位を表わしたものです。
- *スニペットの場合は42.9%
- **スニペットの場合は27.4%
※スニペットとは、検索結果で表示された記事やサイトの要約文(文字)や文字以外の情報(画像)などを指す
引用元:FirstPageSage・2023年のランキング順位別のGoogle広告クリックスルー率(CTR)
リスティング広告を検索位置1のクリック率が高いSEOと併用して掲載することで、リスティング広告のクリック率の低さを補えます。
SEOとリスティング広告の両者を併用する集客方法について、詳しくは後述します。
【SEOの特徴】即効性はないがクリック率が高い
SEOは、検索エンジンのシステムの仕組み上、中長期的な目線で対策していくため、クリック広告に比べて即効性はありません。
しかし、広告のように警戒されることが少なく、リスティング広告よりも、クリック率が高くユーザーの流入を見込みやすい特徴があります。
以下では、「即効性」「クリック率」「ブランディング」「広告費」の4つの面から、SEOの特徴を解説します。
即効性が低い
「SEOはWEBサイトを評価してもらうための対策」の項で先述したように、SEOでは検索エンジンのシステム(クローラ)の巡回を待つことになります。
そのため、集客効果が出るまでに時間がかかる対策であることから、即効性が低く、SEOを実装しても必ずしも検索結果で上位表示されるとは限りません。
対策方法としては、検索結果で上位表示されるには、ユーザーファーストでコンテンツを制作することが第一条件です。すると、検索エンジンからの評価も高くなります。
また、コラムやブログなどの記事をとおしてユーザーが必要としている情報を更新し続けていくことで、専門性の高さがアピールされて、WEBサイト全体の評価が上がります。
難易度の高いキーワードで記事コンテンツを作成した場合でも、広告費をかけなくても上位表示されやすくなるのです。
そのため、SEO集客を実行する場合は、中長期的な目線で対策する必要があります。
クリック率が高い
前章で紹介したとおり、SEOによって検索結果画面の1ページ目の上位に表示されたWEBサイトは、下表のようにユーザーのクリック率がリスティング広告に比べて高い傾向にあります。
引用元:FirstPageSage・2023年のランキング順位別のGoogleクリックスルー率(CTR)
FirstPageSageの調査結果を見ると、検索順位1位のWEBサイトのクリック率は39.8%と、3位から10位までのクリック率をすべて足した結果より多くのクリックを集めています。
しかし、検索1位から検索2位に下がると、クリック率は53%減少し、10位に下がるとクリック率は94.5%も減少します。
検索4位以降は、ほぼ横ばいのクリック率であることを加味すると、自社サイトのクリック率を上げるには『検索結果3位以上をめざしたコンテンツ制作』が必要です。
検索結果の上位に表示されるWEBサイトや記事のコンテンツは、ユーザーが求めている内容であることやオリジナリティの高さから、信頼性が高いWEBサイトとしてみなされ検索エンジンに良質であると判断されています。
WEBサイトや記事へアクセスするユーザーが増えて、クリック率やWEBサイト内の回遊率が高まると、コンバージョンにつながる記事や情報に目を留めてもらいやすくなるでしょう。
コンバージョン(Conversion)とは、CVとも呼ばれており、集客や売上のための目標が達成された数や最終的な成果を指します。
WEB集客を行い売上アップをめざすうえで、欠かせない数値です。
コンバージョンについては、下記のページで詳しくお伝えしています。あわせてご覧ください。
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コンバージョン(CV)とは集客や売上の目標達成数!成果を上げる方法
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ブランディングができる
SEOを実装して効果がでることで、WEBサイトの認知度も高まり、ユーザーに対して自社や商品サービスのブランディングができます。
理由は、検索結果画面の1ページ目上位に表示されるWEBサイトは、ユーザーと検索エンジンの両者に、良質なWEBサイトであると判断されているからです。
上位表示されているWEBサイトに訪れたユーザーは、有益な情報を得られることで、WEBサイトを信頼するようになります。
ユーザーが同じWEBサイトを再度利用する際、検索キーワードの入力欄に企業名やサイト名を直接入力して検索されたり、予測ワードとしてサービス名が挙がってきたりすれば「ブランディングが成功している」といえるでしょう。
WEBサイトの認知度が上がり、利用するユーザーが増えることによってオンリーワンのブランドになります。
広告費が抑えられる
SEOは、リスティング広告に比べて広告費を抑えられます。
専門的な知識を蓄積する時間や労力などのコストはかかりますが、SEOが実装できるまでになれば広告費を抑えられます。
WEBサイトの構築や管理を自社の社員に任せる場合、担当者にSEOの知識があれば、WEB集客のための費用は人件費のみです。
SEOは、自社のWEBサイトを活用して行うマーケティング手法です。
広告費のように掛け捨てずに、社内の資産としてデータを蓄積していくSEOが経営的にもよいといえます。
リスティング広告とSEOの狙うターゲット層の違い
WEB集客を行う際は、ターゲット層を考慮したマーケティングが重要です。
ターゲット層は、自身の悩みや問題解決のために、何かしらのアクションを起こしたいと考えている『顕在層』と『潜在層』がいます。
以下では、顕在層と潜在層についての説明と、リスティング広告とSEO対策の狙うべきターゲット層の違いを解説します。
『顕在層』と『潜在層』とは
顕在層とは、顕在層は『見込み客』とも呼ばれ、商品のジャンルやテーマに興味があり、自分に必要な商品のイメージを明確に持っている人たちの層を指します。
商品やサービスを知っている人やリピーター客が含まれます。
潜在層は、「今は悩んでいないけれど、これから問題を抱える可能性のある人」を指します。
顕在層と比べて、購入意欲は薄いですが、商品やサービスを知れば新規顧客となりそうなユーザーが多い層です。
リスティング広告とSEO対策は、狙うべきターゲットが異なります。
効果的にアプローチできるターゲット層を知ることで、リスティング広告とSEO対策の効果をより高められるでしょう。
リスティング広告は購入意欲の高い顕在層を狙える
リスティングは、購入意欲の高い「顕在層」を狙えます。
今すぐ商品を購入したいと思っている人、早期の問題解決を求めている層に、リスティング広告によって直接的にアプローチできれば、結果を出しやすいマーケティング手法です。
SEOは問題に気づいていない潜在層を狙える
SEOを行うことで、まだ問題に気づいていない「潜在層」に問題提起を起こせます。
上記の図のとおり、ユーザー数は顕在層より潜在層の方が多いため、幅広いユーザーに商品やサービスを認知してもらえる機会をつくれます。
問題提起とともに、問題を解決するための商品やサービスを認知してもらい、購入につなげられるようなコンテンツづくりを意識しましょう。
また、キーワードの選び方によっては、SEOでも購入意欲の高いユーザーを集客することができます。
ワーククリエーションでは、これまでの実績のもと、少ない記事数でも検索エンジンから購入意欲の高い見込み客が集まるブログ記事のつくり方を教えています。
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リスティング広告とSEOは併用が理想
ここまで述べてきたとおり、リスティング広告とSEO対策は特徴や狙うべきターゲット層が異なります。
そのため、WEB集客は、リスティング広告とSEO対策の併用が理想でしょう。
たとえば、リスティング広告によって短期の集客を狙いながら、集めた顧客情報をもとにして、コンテンツSEOに活かすことで、中長期的な集客をかなえられます。
前述の方法は、SEO対策の効果が表れるまでリスティング広告で集客をして、徐々に広告費を削減していきながら、ブランディングに力を入れる手法です。
上述のように、リスティング広告とSEO対策を併用することで、両者の特徴を活かし、補い合う集客ができます。
予算と集客までの期間を考えて、自社の商品サービスに最適な方法を選択しましょう。
リスティング広告とSEOの違いを知ってWEB集客!
リスティング広告とSEOは、特徴や狙うべきターゲット層などに違いがあります。
リスティング広告は、広告費用はかかりますが、掲載早期から集客できる即効性が特徴です。
対して、SEOは中長期的な集客を得意とし、将来的なブランディングも見込めます。
リスティング広告を活用する場合は、購買意欲の高い顕在層をターゲットにします。
対して、SEOを実装する際は、まだ問題に気づけていない潜在層を狙うことで集客効果を高められます。
リスティング広告とSEOは、互いの長所を活かし合うことでよりWEB集客力を高められます。自社の商品サービスに最適な方法を見つけ、WEB集客をかなえましょう。
リスティング広告とSEOの違いについてよくある質問
リスティング広告とSEOの違いについて、よくある質問をまとめました。
Q:リスティング広告とSEO、それぞれの主な違いは何ですか?
A:リスティング広告は検索エンジン上で広告が表示され、クリックごとに料金がかかります。
一方、SEOは広告費をかけずに自然検索で上位表示をめざし、有料ではなくオーガニック(自然)な方法で訪問されてアクション数が得られます。
Q:リスティング広告とSEO、どちらが早く結果を出せますか?
A:リスティング広告は、広告が掲載されると即座に表示されます。
しかし、たとえクリックされたとしても、集客や売上に必ずしもつながるわけではないため「結果が出せる」とは言い切れません。
対して、SEOはアルゴリズムの変更やコンテンツの最適化に時間がかかるため、ひと目につくまでに早くても数週間以上の時間がかかります。
いずれも、結果を出すにはコンテンツの充実性やユーザーへの訴求が明確であることが求められます。
Q:リスティング広告を利用するメリットは何ですか?
A:リスティング広告のメリットには、主に以下の3つがあります。
- 広告出稿後、即座に効果が現れる
- 広告を出稿したり停止をしたりが柔軟にできる
- ターゲット広告が可能で、特定のキーワードやデモグラフィック(性別・年齢・居住地域別など)に広告を表示できる
Q:SEOを重点的にするメリットは何ですか?
A:SEOのメリットには、主に以下の3つがあります。
- 長期的・継続的にユーザーの獲得が期待できる
- リスティング広告と異なり、クリックごとのコスト(広告費)がかからない
- ユーザーに有益な情報を公開することで、検索エンジンからの信頼性が高まりサイトの信頼性向上に寄与する
Q:リスティング広告とSEOは組み合わせて利用できますか?
A:リスティング広告とSEO(自然検索)は組み合わせて利用できます。
リスティング広告は、即時の結果を得る手段であり、SEOは中長期的な安定的な結果を得る手段です。
リスティング広告とSEOの両方を組み合わせて、総合的なマーケティング戦略を構築できることが理想的かつ効果的です。
Q:リスティング広告やSEOに予算を割くべきですか?
A:予算の割り当ては、ビジネスの目標や商品サービスのニーズに依存します。
リスティング広告は、出稿後ひと目に付くことに対して即効性があり、広告費がかかります。
対して、SEOは自分で実装する場合は時間がかかり、外注化する場合はコンテンツ制作や管理など、中長期的な投資が必要です。
ビジネスや商品サービの状況および目標に応じて、バランスよく予算を割り当てることが大事です。